浜辺からしばらく歩いた俺の目に飛び込んできたのは巨大要塞のような建物であった。 建物の正面には巨大な門がありとても中には入れそうではなかった。 でも気になったから俺はそこをうろうろしていると門の上に設置されているスピーカーから男の声が聞こえてきた。 「合言葉は?」と聞かれた。 俺はそんなの知らなかったのでスピーカーに向かってでかい声で「知らん」 と言った。 当然中には入れてくれないと思い回れ右して引き返そうとすると後ろから門の開く音が聞こえてきた。 何で入れたのかよくわからないが中にいるのやつらは普通の人間だと俺を判断したらしい。 それより俺が驚いたのはこんな所にまともな人間がいたということだ。
開いた門を見上げスピーカーから誘導されたように歩いていくと驚くべきでかさの城があった。 遠くから見たときには気づかなかったがこんなにもでかいとは。 だが城といっても戦国時代とかの城じゃなくて外国の城、キャッスル的な城であった。 城の周りには堀があり橋を渡らないと入り口まで行けそうに無い。 俺は橋を渡り始めた。 だが突如として眠気に襲われた、俺は薄れ行く意識の中で感じた。 俺ははめられたのだと。
………痛い、首に痛みが走った。 橋を渡っているときに睡眠薬の付着した針が体に突き刺さったのだろう。 鏡があったのでそれで首を見てみると痛々しい傷跡があった。 俺が寝かされていたベットの上で寝そべっていると足音が聞こえてきた。 「あいつら」以外のことでこんなに恐怖に思った事は無いだろう。 恐怖で体が震えながらも足音は近づいてくる。 足音が止まった。 ドアが開く音がしただが俺は反射的に目を閉じた。
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