2081年 あいつらが暴れ始めてから一年。 だが俺はいまだに「あいつら」を止められていない。 「あいつら」は全世界の人間を食い尽くすまで暴れる。 そして人間がいなくなると共食いをする。 俺には「あいつら」のあふれる未来しか予想できない。 すでにもう地球上でまともな人間は1000人くらいしかいないだろう。 ほとんどのやつらはあの薬を飲んだ。
子供が泣き叫んでいる。 「あいつら」に追いかけられているのだ。 そんな俺は見て見ぬ振りをしたままその場に大仏のように立ち尽くす。 そしてその子供は追いつかれ顔から体全部骨まで血も一滴も残さず舐めとった。 次に「あいつら」は俺の方を向く。 俺の体が震えていたからだ。 次第に近づく「あいつら」…
そこで俺は目を覚ました。 またいつもの夢だ。 最近こんなんばっかり見る。 俺は一人でため息を付きながら布団から起き上がる。 ここは全世界で「あいつら」の被害にあっていない人の集まり。 アフリカの南部にある。 生存者は皆ここを目指してやってくる。 それまでに死ぬ可能性もあるが皆希望を持ちここへくる。 だが子供はほとんどいない。 大人ばかりだ。 まあ当然だろう。 不老不死の薬とあれば皆我が子に飲ませたいのが当然だろう。 その薬がとんでもない物とは思わず…
俺は前からずっと考えていた。 この薬をどうやって止めるか。 それにはこの薬を作ったやつらを呼んで来るしかない。 その科学者たちは、噂では東京の渋谷の地下で今現在も新薬の開発中だという。 この科学者の目的は何なんだろう? 人類滅亡か? 一年前そう思ったように止めるしかないと、やはり俺はそう思った。
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