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作品名:WINDOW 作者:零壱

第10回   最初の決戦
その夜俺はちっともまぶたが重くならなかった。
とても寝ていられる心理状況ではなかった。
「あいつら」が明日ここへ来るということがとても不安に感じた。
しかも俺は偵察部隊だ、先頭の最前線に立って情報収集をしなければならない。
そんなことを考えているうちに体が睡眠を要求したのか、頭では恐怖で寝れそうにもないが体は目を閉じれば今にも寝れそうであった。
そして俺は目を閉じた…明日の不安を胸に抱きながら。


ぉぃ…ぉぃ…おい!その声で俺は目が覚めた。
眠い目をこすりドアのところを見ると佐々木がいた。
「そろそろ起きろよ。もうすぐあいつらがやってくるぞ。その前に飯だ、食堂へ来い。」
佐々木にそう言われたので俺は食堂へ向かった。
食堂に着くいつもならにぎやかな食卓が静まり返っていた。
やはり戦いというのはこんな所にも影響力があるんだ、ということを俺は改めて実感した。
食事が終わると佐々木が話し出した。
「これより約1時間後やつらがここに到着するころだ。厳しい戦いになるかもしれないがみんな!生き残って自分たちの命を守ろう。それじゃあ部隊ごとの配置に着け。」
そういわれたとたんに食堂にいた全員が立ち上がり配置場所に駆け出した。
偵察部隊の配置場所は城の裏口付近であった。
俺の仕事は配置場所から敵の数などの情報を佐々木がいる本部に報告する任務であった。        
任務には部隊の先輩の荻野さんと一緒になった。



そしてついに敵の姿が望遠鏡から確認できた。
そして佐々木に報告し城全体が静まり返った。
5分くらいこの状況が続いたとき「あいつら」のうめき声が聞こえてきた。
すぐさま城から銃声が聞こえてきた。
弾は「あいつら」の頭に命中し「あいつら」は地面に倒れた。
頭を打ちぬかれ惨めな姿になった「あいつら」を見て俺はそこに立ち尽くすしかなかった。
元は同じ人間だった人たちを殺すのには抵抗があったが自分たちの命のためにはしょうがないと思っていたがこの惨状を見ていたら心の中で徐々に気が変わり始めた。
これじゃあ人殺しと一緒じゃないか…俺の心では葛藤が起きていた。


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