20代から中高年のための小説投稿 & レビューコミュニティ
 ようこそゲストさん トップページへ ご利用方法 Q&A 操作マニュアル パスワードを忘れた
 ■ 目次へ

作品名:丘 ノ 上 ノ penguin 作者:鳴瀬羽迦

第30回   詩うたいの心 / After a night comes a day
「詩うたいの心」



ただひとりのために詩う

その言葉をみつけてくれる

あなたという

ただひとりのために

とわに遭うことなくとも

こころに活きる

言葉の宙(そら)にて

眼をつむると拡がる

その宙にて

ただひとりのために詩う

この言葉を受けとめてくれる

あなたという

ただひとりのために





* * *





「After a night comes a day」



とても長い時間が
経ったように思うけど


夜が朝に変わるくらいのもの


まだ仄かに薄暗くて
地上の先は見通せない


薄紫の空には
魔人達のような雲の陰影


とても長い時間が
経ったように思うけど


陽の光は届かなくて
星の亡骸みたいなネオンが点っている


眠い目をこすりながら
ふらふらと家路を探して


とても長い時間が
経ったように思うのに


倒れ込む頃に陽は昇るのかな


熱のない大気は心地よいけど
陽の光に照らされた世界を観てみたい









(0170508/19)


← 前の回  次の回 → ■ 目次

■ 20代から中高年のための小説投稿 & レビューコミュニティ トップページ
アクセス: 9133