「空の鯨」
海中をたゆたう鯨みたいに
空を泳ぐことができたなら
大気をひとかきひとかきと
雲の島の間をとおり抜けて
マッチ箱みたいなビル群の
街をずっと底の方に感じて
太陽のしずくを浴びながら
どこまでもどこまでも泳ぐ
森林が近づいて澄んだ空気
胸に染ませてしばし佇もう
心洗われる息を息を吹返せ
* * *
「neutral.」
すべての鎧を外さなければ
こころが癒されることもなく
わたしは鎧を外しまっさらになった
社会的に何もすることがないのは
新たな不安を持ち込んだりもするけど
わたしは鎧を外し無一文になった
消費経済の役にはたたないけど
地球に優しい生活になっていたと思う
少欲知足な日々を振り返る
虫干ししていた鎧を整え始めた
そろそろまた赴くから
気持ちはニュートラルにありたい
(01609...)
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