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作品名:丘 ノ 上 ノ penguin 作者:鳴瀬羽迦

第10回   hateful / 涙を落とす
「hateful」




人は 世界は この星は

私たちを宿し どんな結末を迎えるの

戦争は止まない

産業 商業に組み込まれていて

どこで どうやって 転換すればよいのか

目の前の安穏に飛びついてしまって

その安穏に浸っている時

難民となって一縷の望みを持ち

船出した幼子が

冷たい海水に命を落としている

私たちに罪はないのか

私たちは罪人なのか

私たちは

国境が消えること

利益の争いの無くなること

確執のなくなること

自身に置き換えてみれば

無理かもしれない

どうしたら憎しみを消せる

狡猾な者への

どうしたら憎しみを消せる

不誠実な輩への





* * *





「涙を落とす」




空の下に広がる 喧騒の街

雑音の中に 魂が消える

私は何者なのだろう

歯車のように社会に嵌り生きる

部屋に帰ると 窓辺に星空をみる

ひとつ ふたつと

数えられるほどの星空を

詩う夜には 心が戻る

詩う夜には心が戻り

涙を落とす











(0160213/0160214)


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