私たちは時のシロップには漬かっていない
* * *
「131023」
風に髪が絡む 曇り空の
おろしたてのコートを羽織った
新しい時間に合せる 空のメモリ
靴音たてて 坂道を駆け下りる
明日へのバスに乗るために
「fizzy」
世界がこの手の中にあったなら
全てを夢と終わらせたい
炭酸水をゴクッと呑み込んだ刺激みたい
喉の奥に弾けて
「たましいの小箱」
たましいの小箱に
この夢をこめてゆこう
いつか蓋を開けば
切なさが
またどこかで
生まれるのかもしれない
「朝顔の種」
朝顔の種を収穫した思い出
学校のプールの匂い
祖父母の暮らす田舎の
青い田圃の畦道を走り回った記憶
秋空を見上げて
なぜか幼い日の夏の風景が
ふと甦った
* * *
時とは存在するものによって 観じられるもの
|
|