見たこともない 明日を見るために ココロの中に 物語りを編む
『十二月の朝』
この季節は朝の陽の光がとても好き。
目が覚めてカーテンを開けると、東の空が橙色に染まっていて、
太陽が顔を出すと、部屋の中に淡い金色の光が射し込んでくる。
しだいに部屋中が黄金色の光に満たされ、ゆっくりと暖められてゆく。
雑多に置かれた数々の日用品まで輝いて見える。
室内のずっと奥まで、その陽射しは伸びて、窓辺から離れた足元も照らす。
光の筋をたどり、また窓辺にひき寄せられ。
揺れる庭の木も紅葉の色をいちだんと輝かせているね。
掃き清められたような空の透明な水色に誘われ思わず屋外へ、そして深呼吸。
風の絵筆に描かれた幾筋もの微細な雲のライン。
西の空には眠たそうな白い月。
外気は凍みるけど、心の芯はじんわり温まる、
十二月の朝のフェノメノン。
* * *
『Lost Password』
忘れてしまった パスワード
大切な気持ちを記した開かないファイル
嵐から穏やかな風を感じ始めることできた
あの頃の気持ち記してあるはず
もう一度 読み返したいのに
あの頃の自分に 少し力を
わけてもらえたらと思ったのに
忘れてしまった パスワード
ココロから抜け落ちてしまったみたいな
ココロから抜け落ちた気持ち 何だったのだろう
* * *
ひとつ深い層に心を置き 感じる
季節の風に 晒されないように…
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