凩 吹いて 星 眺めて
『11番目の月』
海を渡るあなたは
どんな入り日を見ているのだろう。
此処はなにも変わらない
いつもと同じように街灯が点り始め
街は夜を迎える。
あなたが向かう海の向こうには
どんな世界が広がっているのだろう。
此処はなにも変わらない
いつもと同じように人々が行き交い
街は頁をめくる。
物語を構成する一文字となって
わたしは此処から動けないままに
めくられた頁のように
あなたの記憶の奥へと埋もれて行くのだろう。
* * *
もしかしたら 求めているものは 新しい物事の中にあるのではなくて 懐かしいものにあったりもする
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