20代から中高年のための小説投稿 & レビューコミュニティ
 ようこそゲストさん トップページへ ご利用方法 Q&A 操作マニュアル パスワードを忘れた
 ■ 目次へ

作品名:繋ぎあわせる物語 作者:鳴瀬羽迦

第84回   星の呼吸






  11月を向かえる
  風は寂し気 でも…
  





『星の呼吸』






目を覚ますと

星の呼吸を忘れてしまうようで。

自転の速度をみつめてみる朝。

深く息を吸い込み

冷たくなってきた空気を胸に染ませる。

太陽の光の暖かさにしばし包まれ

夏には嫌ったあなたに感謝する。

人はとても勝手だね。

星を着せ替えようとしているみたい

都合よく。

街時間の早送りに

思考も瞳のスクリーンも

追いつかない昼。

息が切れてしまうよ。

夕暮れを待って

ため息する。

すべてをスローにして眺めると

とても美しい

地上のニセモノの星明かりさえも。

星の呼吸に命を合せてみる夜。

眠りの中へと。






* * *






  同じことを繰り返していると
  それがずっと続いて行くように思うけど
  そうではないから
  いつか変わってしまうもの
  なんて思うと
  今というものが心に
  例えば辛い時であっても
  ふと愛おしくなる
  
    







← 前の回  次の回 → ■ 目次

■ 20代から中高年のための小説投稿 & レビューコミュニティ トップページ
アクセス: 21397