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作品名:繋ぎあわせる物語 作者:鳴瀬羽迦

第7回   青の波長






  思い浮かべる

  思い浮かべることができる

  澄んだ水 深い空 すぎる風 森のかおり

  身に染ませて…






* * *






ときどき こんなふうに思えてしまう時もある
なにをか問うても意味はなく あかされる真実もなく
この世のあらゆる事象は 善くみえることも 悪くみえることも
その時代を生きる人々の生甲斐(活きる力)として在るのではないかと
必要とされることが またはそうあるための状況が ただ存在するのではないかと






* * *






『青の波長』




この星の空はほんとうは青くはない。
ただ私たちが青色と認識しているだけなのだと。



青い星に焦がれた。



目指したのは地球ではないの。
目指したのは空を青く見る目を持つ場所。
焦がれた想いを知る場所。



それは誰の想いなのか。



瞬きの瞬間のような刹那に。
弾ける無数の想いが観える。
人生の海に浮かべた様々な船に乗り込み漂う。
船から船へと乗り移り。
船を楽しみ、船の操縦を極めようとし。
大海を味わうことを忘れている。



命の海の現われ。



この世界の出来事は存在故の副産物なのか。
あなたをあなたたらしめる糧。



生きるために生まれた命。



朝の光を身に浴び。
夜気の香りに身を包み。
焦がれる想いは航海を助ける。



命の海の。



目に鮮やかと映る色彩に。
灰色が重なるのは心の濁りか。
不安を望むものは空に恐れの色を足す。



青の波長は何を意味するのか。






* * *






  引き出しの奥、みつけた古い詩。
















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