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作品名:繋ぎあわせる物語 作者:鳴瀬羽迦

第67回   月の雫






  ココロが苦しい夜は 宛どなき思考にて






『月の雫』





ゼンマイをほどく時間 クタクタの足取りの帰り道

西の空を見上げると 目に映る三日月 ぼんやりと

わたし なにに取り込まれてしまったのでしょうか

なぜ 日々は思い通りに行くことないのでしょうか

明日の朝にはまた ゼンマイが巻かれ 我を忘れる

動き出す 繰り返す 動き出す 繰り返すのループ

見上げた三日月の眼の端に 涙 幻なのでしょうか

長い上がり坂 息が切れる でも空には届かない道

季節の風に食まれる身体 引き摺るように進むけど

焦がれる 繰り返す 焦がれる 繰り返すのループ

長い上がり坂 上がり切った その先で羽ばたこう

呼吸のない世界へと 大地に重い脚は残して飛ぼう






* * *





  どこにでもあるありふれた単語の羅列かもしれない
  でも 綴る時には魂がこめられているもの 詩とは
   









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