温かな背中、寄り添って、鼓動を感じた。
『アルペジオ』
アルペジオ あなたが奏でる
あの日の音が ココロを起動した
私は 探し続けている
ココロに叶う あの音を
アルペジオ あなたが奏でた
* * *
生まれてきて嬉しかったことをひとつ選ぶとしたら。 それは、ここが音楽の鳴る世界であったことかもしれない。 あたりまえであるようで、そうではないのだもの。 人類が誕生して、音楽を聴ける環境が整うことは、 そうなるまでは、一個の人間が振り返れば、 気が遠くなるような、長遠な時間がかかっているのだ。 きっと青い空をみることも、樹々を緑とみることも。 稀なることなのかもしれない。 哀しみがなければ震えるココロもないだろう。 震えるココロがなければ、 空の青さに、キミの旋律に涙を落とすこともなかっただろう。
* * *
硬く握りしめていたもの 手のひらを開いて 指の隙間から零そう
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