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作品名:繋ぎあわせる物語 作者:鳴瀬羽迦

第32回   noctiluca






  切り花はいつも哀しい仕草をみせた






『noctiluca』





生きるということは 喜びや哀しみの海を泳いで行くようで

海原の向こうに何があるのかは 解らないけど 尽きるまで

狡猾な人間に食まれる ココロの手足は痛むけれど 耐えて 

波の旋律に鼓動を沿わせて 鳴り響く遠雷のように 委ねて 



移り変わる光景の 音楽に浸りたいけど 求められるものは

シンクロナイズドスイミング 一瞬 遅れれば 泡と果てる

喜ぶことも 哀しむことも それは澱む 入り江の溜まり水

のようで 許されないままに次から次へと 層を重ねて行く



真夜中に 浮かぶ 一点となって この惑星の一点となって

天空に問う 時代を問う 生きる意味を問う 星降る海原に

淡すぎる光 イルミネーションに遮られ 届かない声 蛍火

報われないのでしょうか 掠れた詩歌 この生命 この想い  






* * *






  外した指輪 太陽に翳してみる…

  








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