季節が移り変わる 心も移り変わる…
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『夢と死と孤独と』
バスに揺られて うとうとしながら
切り取られた時間の中には まだ幸せがあった
車窓にみる青い空も 白い雲の形も
この世界の悲しみとは かかわりなく映るように
手の中の開いたままの 文庫本には
心に残る言葉が「」に閉じられていた
それは死についての 登場人物の言葉
的を得ているように 思いながらも
でも 疑問に思った 死とは孤独に入ることなのだろうかと
いつかのそれは 眠りに似ていた
誰かに寄り添い眠っても 夢は共有できない
それでも 夢の中にて 孤独に思うことはない
夢はどこか 意識の中心がずれているからだろうか
寂しさが風景に反映されても 孤独感はそこにはない
孤独とは生きているからこそ 生まれる感傷ではないのだろうか
私が私として在るからこそ 自分として感じることのできる
苦しいけど 悲しいけど 何をか愛そうとする気持ちを起こす
その 原動力でもあるのではないだろうか
バスに揺られて うとうとしながら
めくるめく思いは どこか現実離れしている
日々の過酷と 山積みの課題を
辻褄あわない哲学で 切り抜けようとするかのように
* * *
もどかしい 人の眼にはみえないもの 人の眼がみないもの…
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