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作品名:繋ぎあわせる物語 作者:鳴瀬羽迦

第21回   あまのさぐめ






  幼き頃から疑問に思うことあり…
     なぜ悪しきものは醜き姿で描かれるのだろうか…






* * *






『あまのさぐめ』





あの日 警告を告げた鳥は あなたの手に寄って 射落とされ

あの日 全てを失うことを許した書面に あなたはサインした

還し矢は時を越え 今 私のココロを打ち砕く 何も残らない




恋心というものは 人を盲目にするものだと振り返る後の祭り

巧妙なる話術に酔いしれて あなたは鳥の鳴き声に耳を塞いだ

見えていたのに 過去の私あなた 眼を伏せ嘘の囁きを信じた




いつから人は 愛らしき姿を天使と勘違いしているのだろうか

彼らは人を傷つける鍵の爪を隠している ココロのひだの中に 

彼らは小さな鬼 全てを奪うまで あなたに取り憑くのだろう




悪しきものこそ惑わす面と術を持ち合わせ人を巧みに利用する

それでも人は その場の心地よさに騙され 鈴の音色に騙され

日々痩せ衰えながら還って来た矢にて愚かさに気づくのだろう






* * *






  本当が見える眼を人が身につけたなら世界はどう映るのだろう…
          この惑星(ほし)はどんな姿をしているのだろう…











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