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作品名:繋ぎあわせる物語 作者:鳴瀬羽迦

第20回   Stargazer




  

  夜がやってくると ふと不安になるのは

  闇夜を畏れた 原初の人々の名残なのだろうか

  街はネオンに溢れ 夜を知らないのに






* * *

 



『Stargazer』





物語を綴り続けることが

私にとっての生きていること

空の青さも 雲の白さも 肌に触れる風も

どう感じるかは 一人ひとり 違うものだから




その記憶が 意思よりも深きところに 刻まれて

刻まれて いつかまた 道しるべとなり

たましいを 呼ぶのかもしれない




それでも 私は もう二度と そう 思うの

もう二度と この大地を踏みたくは ないって

青い空も 白い雲も 忘れてしまいたい 

私たちを形作る 温もる肌も 忘れてしまいたい




だから この瞬間(とき)だけは 悲しみも 味わおう

だから この瞬間だけは キミに逢えたこと 愛おしもう




見えない先には 何があるのだろう

そこに私は いるのでしょうか

そこで私は 笑っていますか 泣いていますか

今は 虚無の中にたたずむ




青い星が 小さくなってゆく 記憶の片隅へと

もう二度と 二度と 私を 呼ばないで

それでも 小さな窓は開かれて いつもどこかで

ぼんやりと ぼんやりと 物語を綴り始める 






* * *






  天空の見開かれた眼のような 今夜は満月








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