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作品名:繋ぎあわせる物語 作者:鳴瀬羽迦

第14回   さよなら世界






  探していたのは 揺るぎないもの…







* * *






『さよなら世界』





さよなら世界



と 思えるほど



感謝の込み上げてくる瞬間がある



哀しみの中にあっても



誰かに憎まれていても



私は私を生きている



どうにもならなように思う明日にさえ



あたたかな光を感じる



さよなら世界



たとえ この瞬間に途絶えても



ありがとう と言える



人ひとりの命が 尽きるとき



その人のみてきた その世界は閉じる



それでも誰かの手によって 世界というものは



次の明日を開かれる



明日の光のなかに



また君をみることできれば



あたりまえであるようで



それは奇跡なのかもしれない



その奇跡に感謝する



ありがとう



ありがとう






* * *






『気丈に生きる人』





私には真似できない



でも 私も最後まで嘆いたりはしないでしょう



それは貴女の勇気とは違って



臆病からではあるけど



何の自己主張もすることなく



始めから いなかったように消えるの



私を知っている僅かな人達



その存在も途絶えた日には



私がこの世界にいた記憶は何も 無くなるの



思い出す人もいない



思い出されることのない人々



でも世界は そんな人達によって作られてきたの



彼らの存在あって世界は続いている



そんな世界があるから



貴女は気丈に生きることができるの






* * *






  g r a t i t u d e





    まやかしの愛となっても その後に込み上げてきたもの…








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