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作品名:散文詩編 HARU-NATU-11 作者:鳴瀬羽迦

第4回   ラストシーン


   もう一度 あの海を観に行きたい
   あの子にごめんねって言えたらな
   あの人にありがとうを伝えないと




ひとつひとつのことが もしかしたら最後のことかしらと



ひとつひとつのことを 丁寧に折り畳んで箱に仕舞うように



大切に大切に この身に心に染ませてゆきたい



キミにおはようと声をかけることも



いっしょに朝ご飯食べることも



初めて行く場所も それが最後になるかもしれない



この街の風の中を歩くことも



気に入ったブラウスを買ってみることも



今 聴いている音楽が 私を見送ることもあるかもしれない



人は そういった時間を生きている



人は そういった空間を歩いている



ひとつひとつのことを 丁寧に折り畳んで箱に仕舞うように



大切に大切に この身に心に染ませてゆきたい



私 忘れものはありませんか?







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