息吹は分けられた きみのために ふたつの眼により 耳により ココロに集める きみの感覚 そして口遊ぶ きみの言葉
たとえば、あなたが誰であろうとかまわないのだ。 たとえば、あなたの存在は高速で回転する銀河のようなもの。 その中の太陽系に暮らすのが私たち。 銀河の回転に眼を回すこともなく、日々支障なく生きている。 だから、あなたの正体を知っても、ただそれだけなのだ。 あなたは私を忘れるでしょう。 幾筋もの織り糸の一本でしかないのです。 名前も顔も忘れるでしょう。 名前や顔がなんであるのかも忘れるでしょう。 今、剥離した一片の細胞のように。 あなたは私に気づかなくなるでしょう。 私の記憶はココにしかないのです。 私は、私があなたを知るのではなく、 あなたに、私を思い出して欲しいのです。 だから、去ろうとするあなたの、その息吹を吹き返した。 人間の、生き物の、生きようとする、その力の強さの。 ふびんな身体よ。 魂はあなたのために生きるのでしょう。 あなたの望みを叶えるために。
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