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作品名:詩集 the first half of '11 作者:鳴瀬羽迦

第3回   Empathize/ぐっばい まいわーるど
Empathize





彼の世界に 私はいないのだ

物語を読む ひとりの読者

想いを巡らせても 形のないものに

ふと 寂しさをよぎらせながらも




窓際のソファに腰掛けて

窓から入る風を素足に感じた

風をまとい膨らむカーテン

私の世界に 彼はいないのだ




あなたは 今 何を その目に映すのだろう

あなたは 今 何を その胸に想うのだろう




雲の影が 庭を流れる

風が 夏の木の枝葉を揺らす

私の目に映るもの 私が心に宿すもの

この想いは 何なのだろう




叶いもしない物語 触れることもない

なのに この想いは 何なのだろう





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ぐっばい まいわーるど






あたまをひやすじかん



それはひつよう



まいわーるどにおちいらないように



あるひ ちいさないけのなか



わたしは20秒前にささぶねをうかべた



きみは20秒後にささぶねをうかべた



こいしがぽちゃんとなげられた



はもんにゆらゆらするささぶね



はねかえってくるはもんにゆらゆらするささぶね



はやくにゆれて おそくにゆれて



おんなじなみにゆられているようで



ちがうじかんをただよっている



そうなんだ そうなんだ



あたまがひやされるよ



そうなんだ そうなんだ



ぐっばい まいわーるど



めをさまそう めをさまそう






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