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作品名:静夜想詞 作者:鳴瀬羽迦

第7回   星の夜に
星の夜に




地上は乾燥しがちでも、上空は水蒸気の多いこの季節です。
月は七色の光輪を纏い輝いています。
薄いベールのような雲や濃淡のある雲がかかっていれば、
さらに風光明媚な観ひときわなのだけど…
贅沢はいいません、それは自然にまかせましょうか。



幼いころから月や星を眺めていると自然に心にある想いを語りかけていたね。
月は一番身近に感じた。
それからシリウスやオリオン、北の窓からだとカシオペア。



星星の光がとても遠く、過去の光をみているのだと知ったのはいつの頃だっただろう?
シリウスでさえ(たしか)8.7光年前の光をみているのだ。
確かにそこにあるのに手の届かないものたち
それでも、どんなに励まされてきたか。
社会の中で近視眼的になりがちな心をとき解してくれる。



不思議な空間の零れ落ちてゆく細胞のひとつなのかなと
惑星や自分たちのことを寂しく思ったこともある。
あなたが内側に感じるものを私たちが外側にみつめているのかと
ひしめくような孤独というのか悲しみを感じた頃もあった。
その時、それを解決しようと思ったかどうか、
でも私の中では、その想いは変わり。



昔の哲学者は上手いことを言ったね。
「語ることが不可能なことについては、人は沈黙せねばならない」



そして夢の内のあなたはこう言った。
「見終われば全てわかる」



ひとつひとつ展開してゆくのを楽しみながら
いつも今ある物事と大切に向きあってゆきたい、と。
そう、思う。






No.050129


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