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作品名:静夜想詞 作者:鳴瀬羽迦

第19回   remark/compassion
remark





社会に流れる情報はまるで催眠術のように
私たちをその指し示す方向にまとめあげる。
そして、その目的は、行く先にあることは。
私たちはいつの間にか搾取されたり、
動向を決める道具みたいだったりするけど。



でも、いろんな生き方があるんだ。
(細かいこといえば社会のためにならない生き甲斐もあるけど、
 それは今は横に置いといて…)
人の世界に必要なこと、生き甲斐、その期待感、達成感。
自身の心の栄養になる、心の丈夫になる、時に誰かの心も動かす。
その中に生きるのもよいかもしれない。
それを眺めて生きるのもよいかもしれない。




   心に吹く風に震える その懐かしさに
   胸に響く詩に涙する その愛しさに
   私を守るもの その温かさに触れ







No.080207
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compassion





お洗濯物を干しているとハリエンジュの葉に

まだ縞の残る小さな小さなカマキリをみつけた。

目が合うと、いそいで葉の裏に隠れる、その不憫さ。

そっと回り込んで覗き込むと、一生懸命に構えている。

命を守ろうとしている姿の、その健気。

大きくなろうね。

私たちの根底には哀しさが流れている。

それは郷愁に似たような。

その哀しさは冷たくもなく不幸でもなく。

温かいものを心に生む、涙のような。

命ある世界の温もり。







No.080629


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