怪
南アルプスの麓、祖父母宅での思い出。 そのうちの怪談?をひとつ。
夏休み、それはトトロの映画に出てくるような雰囲気の 田舎の家に泊まっていたときのこと。 ちょうど伯母と年下の従兄弟も泊まりに来ていた。 その従兄弟と二人で母屋の二階でお昼寝をしていたときだ。
誰かが枕元にスーッと近づき正座して語り始めた。 私は伯母がなにか物語を聞かせてくれるのかと ウトウトする心地の中、耳をそばだてていた。 でも、とんでもないことに、その話しはコワイ話しだった。
夜な夜な畑の入り口辺りに現れる幽霊のお話し。 村人が目にする物干しの辺りで物悲しく笑う首のこととか。 その近くの塚のように盛り上がっているところを掘り起こしてくれとか。 掘れば骨や髪がでてくるけど、馬の骨でも鬣でもなく、それは人のもの。 それを集めて供養してほしいとか…。
冷や汗かいて飛び起きると、もうそこには誰もいなかった。 梯子のような急階段から転げ落ちそうな勢いで階下に降りると、 居間にいた伯母と祖母に向かって、 なんであんなコワイ話するの!!!とまくし立てた。 でも二人はきょとんとして誰もコワイ話なんかしてないと言うのだ。
私が6、7歳の頃のことだ。
その時の私が怖かったのは笑う“首”の図。 (読者様には、その図どんな風に思い浮かびますか?) しばらくは思い浮かんで背筋がゾッとしたの覚えていますが、 子供の私には“首”といえばノドの部分としか思いつかなくて、 そのノドだけの首の部分に目と笑っている口がついてる図を想像したら… すっごく不自然で不気味で、それが怖かったのです。
今だったら首といえば、生首のことと、すぐにわかります。 それもまぁコワイですが、後々、思い起こせば… いったい“誰”があの話しを枕元で語っていたのか、 と言うことの方がよっぽどコワイことに、気がつきました。 幼さゆえ恐怖を感じるポイントがずれていたのですね(苦笑)
いえいえ恐怖とかコワイとかいうよりも今になってみれば、 もし、世間で言う霊などが助けを求めていたのなら 要領得なくて、力になってあげられなくて… 鈍感な子でごめんなさいと思うのでした(汗)
No.070824 そしてこのお話しにはさらに後々気づいた続きがあるのですがまたいつか…
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