存在の欠片
なんとなく ぼんやりと BGMにゆだなって
生まれた時のこと 思い出していた
時々こんなふうに思い出す 一番最初の印象は
刺す針のような眩しさ
耳障りなカチャカチャいう硬質な音
肌寒さ そしてたぶん心細さ
よるすべの無い小さな自分を思い起こす
あの日の印象が淋しすぎて
ずっと帰ることばかり考えてきた
どこから来たのかもわからないまま
でも 此処が探していた場所
きっと そう そのひとつ
ぎゅっと凝縮された自分の居場所
何か此処ですべきことあるのかなと
使命感を持とうと
心を硬結びしてみた日々もあったけど
すぐにほどけてしまった
生きるままの死の底を抜け出し有頂天に達した後は冷め
ただ吹く風とともに歩んでいる
生きることで肌に感じる 星の温もり心に染ませ
心とは自分として感じる この身体の働き…
いつかあなたは気付かせてくれた
帰るところは場所ではないこと
心はそのポータルでもあるのかな…
暮しの中で等身大にものごとを考えるのは大切なこと
でも 本来の自己(それは魂か命かわからないけど)では
この宇宙すら涙の雫のように小さな一粒かもしれない
人の思考の基準のあてはまらない不思議
でも その不思議のほうがより多くを占めていて
この時空(自分)は一瞬 とても貴重な存在の欠片
No.070805
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