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作品名:電子の海 作者:鳴瀬羽迦

第6回   shijima/矛盾なるバランス
shijima





とても静かな 陽の眠る夜


部屋の灯りの 光度を落とそう


昨日の面影を 明日へと描き出す


いつも狭間にある心を 浮かび上がらせよう


明日へと描き出した 昨日の面影


光度を落とした 部屋の灯り


陽の眠る夜は とても静か





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矛盾なるバランス





君はまだ 小難しい論文を読み

世界を言葉で咀嚼しようとしている



こんなふうに考えたことはないか

平和を希求したいと欲する者のために

平和を希求したくなる世界が創造されるのだと



善人になりたい者のために

弱者を選ぶ献身的なたましいがあるのではないかと



求める者はそれを与えてくる者に救われているのだと

自らが救う立ち場と自負しながらも 自らが救われているのだと



人の心をくすぐるものはなんだろうか

なぜ人類は存続を望みながら破壊しているのだろうか

矛盾とバランス 危ういようで絶妙



あなたは論文を噛み砕く

誰にでも解る優しい言葉にしようとする

それは何を求めてそうするのだろう



感覚の時空に逃げた あの日から

眼に映る風景が 異なる

私は詩うために 震えるままの心を選んだ

それが君の存在を 必要とする








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