涼風
冷たい ひんやりと 秋の気配が混ざる風筋が呼び覚ます
冷たい ひんやりとした そんな海を漂っていた 淡い記憶 形になったり 形がなかったり
冷たい ひんやり そんな言葉を 持たない時 どうやって その感触を伝えようか
どれほどの時を経て どれほどの場を踏んで 私たちの身体は造られて 魂を宿らせ 詠うのだろう
壮大な宇宙のドラマを 貴方は その背に 彗星の尾のように描いている
今 探していた場所に立っているんだ 今 貴方に伝えることができる
自分の言葉 自分の声で 囁いて 呟いて 叫んで
冷たい ひんやりした その風に触れ 起る想いに 際立つ 生きているという 存在
______________________________________ おもひで
わたしはまだ あすこにいるきがする
のどかな なつのひの かくえきれっしゃ
まどからながれこむ かぜにふかれて
がたごとがたごと ゆれている
わたしはまだ こどもでいて
まどのそとのとんでゆく ふうけいみてる
あなたがひきだしたギター
あなたがうたいだしたウタ
がたごとがたごと ゆれながら
わたしはみみを かたむけた
こころのどこかに おとなになったひの ゆめみて
わたしはまだ あすこにいるきがする
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