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作品名:水鏡 作者:鳴瀬羽迦

第5回   えいじんぐ/家路
えいじんぐ




何気なく過ごすことができた

そんな時間はとうに昔のこと

希望の歌を今聴くのはつらい

もう高くに望むことはなくて

今はひとつひとつの出来事を

胸に刻み味わいながら歩みつ

思い出の質感が増し行く日々

この場所を訪れるのも最後か

君と過ごす時間ももう僅かか

そんな想いが過り胸にしみる

人生の年の瀬にようやく知る

取り戻せない日々の煌めきを

その中を生きてきた目映さを





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家路




夕焼けに取り残された東向きの丘はなんだか寂しく。


家々も木々も赤々と輝く対岸の丘を眩しくみつめる。


影すら薄れ行く坂道をトボトボトポトポ登るのです。


上空には白い月が雲間に見えたり溶けたり輝きまし。


人生ってなんだろうなと哲学的にもなる買い物帰り。




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