みつからない言葉
空の彼方から しんしんと降る雪のように 記憶が舞い降りる
地の奥から こんこんと湧く湯水のように 想いがあふれる
心の水面で それらが触れあい 靄が流れる
みつからない言葉は 靄のなかに 声になるときを待っている
__________________________________ a silent film
誰も知らないところで 息を潜めて
ただ 世界をみつめていたい
気づけば 風に 風になっている そんなふうに
あらゆる境界線を なくそうと言うなら
昨日と明日の 生と死の 境界線も消えてゆくのだろう
なんて 静かなのだろう どこにいても
無声映画みたいな 時のスクリーンを みつめている
雑踏の中にいても 息を殺して
過ぎ行く人達の それぞれの物語が 幻影のように 渦巻くのをみる
この地上で 地上でどんなふうに 心を持てばいい
もう ドラマなんて いらないんだ いらない
誰も知らないところで 息を潜めて
ただ 世界をみつめていたい
気づけば 風に 風になっている こんなふうに
昨日と明日の 生と死の 境界線も消えてゆく こんなふうに
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