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作品名:幻想詩歌 作者:鳴瀬羽迦

第6回   gleam / unidentified flying object
gleam


   夜には 全てが闇に包まれて

   ひとりの時間を漂わす

   微かに浮かぶ光は

   遠い日に振り返った

   あの部屋の 窓明かりのように

   震える手と震える心

   近づけないよ 足がすくんで

   あの場所から歩きだしたのは

   心を忘れた 抜け殻なのか

   立ちすくんだまま見送っていた

   旅立つ君は 何時 気づくのだろうと

   闇の夜には思い出してごらん

   まだ窓明かりのしたで 泣いている




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unidentified flying object


   ある日 見たのは

   夜空に浮かぶオレンジ色の光り

   不思議に思い 眼をこらした

   光りは震え そして

   真っ直ぐに すーっと高く高く昇って行った

   鋭い輝きを放った その瞬間

   光りは五つの点となり

   幾何学模様みたいに正確な距離を保ちて広がり

   もっと高く高く 星空の彼方へ吸い込まれて行った

   記憶を覚まして それはシグナル

   記憶に留めて それはマーカー

   あれはなんだったのだろう

   声無き声は誰なのだろう




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