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作品名:幻想詩歌 作者:鳴瀬羽迦

第11回   chain / the key of a silver drop
chain



   無気力な手に抱かれた
   幼子は愛することを知らない


   仮面の下に見え隠れする
   為政者の邪心


   罪を知らない人々が悪に踊らされ
   新しい罪を生み出す


   濁った時代に相応しい
   現実と虚無の狭間で微睡む人々


   壊れやすい友情
   色褪せる愛情  儚く


   造られる美
   求められる虚飾 置き去りの心
 

   罪のない人々が悪に踊らされ
   新しい罰を受ける


   矛盾した時代に相応しい
   破壊と創造の狭間で
   気を失いそうに脅える人々
  

   未来をこの手で選べるのか
   断ち切りたいと望むのは  何か





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the key of a silver drop



   静かな夜
   月のない闇の世界


   寂しげな夜
   孤独な時間


   誰もが眠る深遠な時刻
   静かに目覚める魂


   せめてもの想い
   鎖を解いて闇に浮かべる


   言葉を投げかけても
   答えは返らない


   あなたが放った
   問いだけが揺らめく


   何を求めていたのか
   何を忘れているのか


   差し伸べた手の中に
   落ちてきた銀の雫の鍵


   闇の中に取り残された
   あの日からの私に


   あなたは何かを
   告げようとしたのか


   閉ざされていた扉の向こう
   何を見るのだろう










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