願い〜ブロッサム・シーズン〜
花が季を知り咲くように
人は遷り変わりに 機を知るのだろう
いつしか人は自然なる環境と調和して生きる
こう在りたいという 姿を見つけられる
もう 武器は造らないだろう
そう 無益な競争に気づいて
心から国境のラインを消すだろう
生命のすべてを知り 慈しみ
互いの糧を分け合い 補い合い
互いの価値を受け入れ 認めあい
共に生きる道を選ぶだろう
その日はやがて来る
蕾が開花の合図を待つように
静かなる呼吸の底流に
今 微かな印象が響きあう
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ある冬の朝の情景
この地に朝の太陽が静かに昇り街を照らし始める頃 同じ光に照らされた彼の地は夜に眠るのだろう でも彼の地に暮らす人々にとって 心の震えが眠ることを許さないでいるかもしれない
私たちは ほぼ変わらない緯度上に暮らしていて ほぼ同じ軌道を回っている 昨日 身体を離れた魂が今 此処に漂っているかもしれない 帰る場所を見失って
此処では不況のニュースはまだTVの中のことで 昨日と同じように今日の暮らしが滑り出した ゴミ出しに出れば「今朝も寒いですね」と笑顔で挨拶を交わしあい 鳥がさえずっている 木の芽が春を待っている 部屋にはコーヒーとトーストの香りが満ちて 優しい空気を醸す 子供はいそいで朝食を頬張っている いつもの朝の光景が展開する
彷徨う貴方は 此処を天国だと思っているかもしれない 平和の内にある皆を天使だと思っているかもしれない
どうぞ 貴方の身体が砕けていませんように その場所に戻ったら あなたのいつもが取り戻せますように そして この街のことも思い出してください
私も不思議に思います 小さな惑星です 数度しか違わない緯度上に暮らしているのに なのにどうして こんなにも状況が違うのかと ここにも大変なことはあるけれど 生死を彷徨う貴方から観たら 簡単な悩みかもしれない
どうぞ 貴方の身体が砕けていませんように この世界で貴方にとって大切な その場所の温もりが失われていないことを
どうぞ 争いが止むように
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