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作品名:詩抄 V 作者:鳴瀬羽迦

第5回   魔性/囲いを外して



  魔性




魔性 それは形として存在しない

でも人は幻影を見るのか

同じ人間に魔性を重ねて見る

戦っても 攻撃しても

傷つくのは人間の身体と心だけ

魔性 それは恐怖や憎悪を餌とする

膨れ上がり連結すれば

その勢いを止めるのに困難を極める

見えに見える悲惨となって

さらに人心を惑わすのだろう

魔性 それは一人ひとりの心にあるのだろう

目に見えないそれと闘うのは 本来なら

己自身の胸中でしか成せないのではないか





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  囲いを外して




価値観を同じくする者達が

ひとつにまとまったり

縁のある者が繋がりあったり

家族 仲間 組織

人種 民族 部族

地域 国家 宗教 エトセトラ

そして囲いを造り

その中に安心を求め

他を顧みないこともあり

別のグループを敵視して

団結を強めたりもする

人類がこれまで辿ってきた道

両側を感じることは出来ないのだろうか

全てになって思うことはできないのだろうか

造りあげた意識の囲いを外して




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