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作品名:詩抄 V 作者:鳴瀬羽迦

第4回   リアルに生きている/真の人へと



  リアルに生きている




あなた方の血は黒いタールですか
私たちの血肉は赤く脈打ちます


この土壌も汚染し生命の尊厳を脅かす核兵器
その威力をちらつかせながら
殺戮兵器を大量に生産する国を悪と罵っても
私には双方の違いなく見える


恐怖を恐怖で威圧し
そこに平和な星の暮らしは築かれるのでしょうか


カウボーイとサムライのシミュレーションゲームはお断り
私たちはリアルに生きているのです
生き地獄を味あわせられるのは無防備な私たちです
護衛されてのテレビ中継のゲーム観戦とは違うのです


プレッツェルかじって喉に詰まらせるよりも
地雷に吹き飛ばされた手足の傷はもっと痛むでしょう
子供を父母を失った人々の心はもっと痛むでしょう
癒えることなく下手なジョークで誤摩化せないのです


ミサイルの炸裂する恐怖の光よりも
ーーその下で怯え逃げ惑う人のいることを考えてもみてーー
太陽の恵みを星空の美しさを仰ぎみていたい
ーーその下であらゆる生命は育まれ私たちは生きるーー


あなた方の血は黒いタールですか
私たちの血肉は赤く脈打つのです






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  真の人へと




刻まれた 人類の記憶を辿れば
争いの中に存続して来た
そう 始まりの頃は
奪い合い 傷つけ合うことは 悪意ではなく
それぞれの種族を守り抜くためだったのだろう
そして 言葉が話され始め
人類の賢さとなった
意思疎通の希望かと思うのに
なのに なぜ 今も繰り返すのだろう
原始の記憶のままに
進化したのは 使う道具ばかり
私たちは文明の機器を使う猿なのでしょうか



意識は太古から引き摺るままに
言葉は歪められ
なにを伝えるために発しているのか
養った知恵は 欲望を満足させるために消費され
人であるならば
その培われた 原始の記憶を 超えて
真の人と成ろう
形ばかりの人間社会はさようなら
心ある世界を迎えたい
私たちはもう必要としません猿山のボスや群れを






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