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作品名:詩抄 V 作者:鳴瀬羽迦

第3回   空爆と傍観/恐怖の種



  空爆と傍観




なにを思うのだろう

飛行する物体の中に身を収めて

眼に映るのは照準のパネル

その向こうに人の温もりは見えないのか

機体に貼られたミサイルを模ったシールは

栄光の数のつもりなのだろうか

人を殺めて自慢する戦争の狂気

仕方ないと諦め顔でニュースを傍観する私たち

仕方ないと言われ無惨に奪われる

一人の命となったとき

なにを思うだろうか





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  恐怖の種




世界地図を見た


地雷が埋まっている地域を示す 白地図


赤い点が 世界のあらゆる場所を埋め尽くしていた


何てことをしたのだろう


何てことをしているのだろう


大地に蒔かれた 殺傷という実を結ぶ 恐怖の種だ


そんなもの作ったのは人間で


蒔いたのも人間なんだ


刈り取られるのは 人の手足 そして生命 そして自由


危険を知らず 忘れられた跡地で暮らす


子供たちの 夢や希望





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