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作品名:詩抄 IV 作者:鳴瀬羽迦

第8回   叙情/輪廻



  叙情




見失わないように

みつめていた何かを いつか忘れて

地獄のような 時間のなか

点のように 小さな光を見た

望みかと思い 駆け足で追った

そして ここに届いて来た歌に 気づいた

光は望みではなく 自身の意思であったことに

なんのために 問い掛けた答えが

身体中を 包み込んでゆく

平行して走る 二つの世界

二度と 見失いたくなかった

向こう側の 私を

消えてしまいそうな 今を守るために

意思は光になり 手を差し延べ

繋がれた 手と手は

引き裂かれた世界を 取り戻してゆく

光は満ちる 感動は呼び覚まされる






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  輪廻




心を開き 夢を解(ほど)いて
思い出してみる
心のどこかに いつも そう
感じていた哀しみ 涙のように


風が繋いでいた


心を解(と)き 夢に開いて
思い出してみる
心のどこかに いつも そう
溢れてくる温もり 想いのような


空に包まれている


心を澄まし みつめて 聴こえて来る
触れる大地 私たちの母なる
すべてを知るため ざわめく海をなだめ
思い出してみる


そう 生まれ来る前の 私たち
そう 死に行く先の 私たち
すべてを抱き すべてに繋がる 私たちを




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