あたたかなる時と空間を望みて
此処にこうして居る 自分を感じられる時の短さ
生まれる前の私を知らなくても 世界はそこにあった この先も私としての時と空間がなくなっても 世界はそこにある
誰に生まれてきても 何処に生まれてきても いつ生まれてきても
そこは生命を温かく包む 時と空間であって欲しい
私たちには創れるのだろうか そんなあたたかな世界を いいえ創ることできるのは 今を生きる私たちだけなのだろう
今この瞬間に暮らす私たちだけなのだろう いつも いつだって 此処が未来の始まりならば
そうして育まれた時と空間は 次の私たちを きっと 優しく迎えてくれる
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雨粒みたい
六十二億の人達 動植物も合せたら どれほどの生命体が この地球上に存在するのだろう 生き死にのドラマは 繰り返され
無数の雨粒たち 上空の雲から地上に降り それは命の一生のようだよ と あの子に話した
ほんとうか なんて解らないけど あの子が死はなんだか恐そうと言ったから そうではないよ と 伝えたかった
様々な路を辿り また上空の雲となる雨粒は けっして 元の一粒ではないよね 水溜まりに混ざり 地面に吸われ 蒸発し 雨粒たちは一粒一粒に その全てを混ぜ 生まれ変わる
そして 命も同じような感じ その一粒を この身体や あなたの身体が受け止めたのかもしれないね 気づかないだけで でも私たちには 全ての記憶が溶込んでいそう
世界で最高齢の人は何歳だろう 百十五歳かな だとしたら百十六年前まで生きていた人は 今 一人もいない でも命は次にバトンタッチされ そうやって途切れることなく 連なっているんだよ
死は 生きる力が十二分にあるときは 怖く感じるものなのだと思う
宛のない心配はしないで 今 出来ることを そう 今を 精一杯生きようよ ね
【メモ】2009年現在の世界人口は68億人
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