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作品名:詩抄 IV 作者:鳴瀬羽迦

第13回   unity/時の感覚



  unity




風が吹く この惑星(ほし)に
生まれ来る命と 死に行く命の
交差する 軌跡は滑らかに


大地に立つ 私たちには見えないもの
それでも 心には感じられる


どうぞ 柔らかな境界線を越えて 心よ
それとも 皮膚はベルリンの壁より厚いのでしょうか


光り溢れる この惑星の
生まれ来る命と 死に行く命の
源は きっとおなじ


大地に立つ 私たちは忘れていること
だけど 心の奥には知っている


そう 柔らかな 大気に包(くる)まれて ひとつの星
そして 形あるもの 形ないもの 全てで構成されている
この宇宙に在る この宇宙とのひとつ




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  時の感覚




時間は流れてはいない
生まれた点から膨らみ
過去を内包してゆくもの


いつも同じ場所にいる
生まれた時から眠る時まで
自分というものは


どこに行こうと どこに居ようと
始まりの点から どこか遠くに
時のラインを流されたのとは 違う


いつも同じ場所で
私という場所で
時を膨らませ想いを包んでゆく



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