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作品名:詩抄 III 作者:鳴瀬羽迦

第7回   環/冬眠
     
     
     
     環
     
     
     
     
     私にできないことも

     あなたにはできる

     あなたにできないことで
   
     私にできることもある
   
     そうして人は補い合って
  
     大人が忘れてしまったことも
  
     新たらしく設えられたステージで今
  
     子供たちが経験している
  
     そうして世界は回り
  
     映る景色の緑が
  
     日に日に濃くなってゆく

     その萌える命の
  
     見えない手に
  
     心も掬い上げられて
  
     支えられて
  
     移り変わる季の
  
     ときに悲しさを覚えたり
  
     ときに楽しみを思ったり
  
     私が私であれる場のあるかぎり
  
     この身が朽ちて
  
     すべて夢の中に還っても
     
     
     
     
     
     -*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*
     
     
     
     冬眠
     
     
     
     
     冬の眠り
     
     雪解けを待とう
     
     春を纏うために
     
     今は小さな空間で
     
     膝を抱え
     
     夢を観よう
     
     宇宙(そら)の始まり

     星の誕生

     命の始まり

     心に銀河を鏤めて

     想いを巡らすのも悪くない

     温もる胸に

     ここに在る

     奇跡を感じつつ
     
     
     



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