大地の矛盾 地球は一回りして 天の星たちに その姿を晒している 朝へと明けようとしている地の その悲しみに オリオンが手を振る どんな物語りを携えて この夜 私たちの頭上に星座は輝くのだろう 戦乱の 彼の地の人々の息づかいや その家族の嗚咽 大気の中 微かなこだまが残っている それらは風の音に変わり 享楽のビルの谷間を吹き抜けてゆく オレンジ色を含みはじめた陽の光は 優しく 温かくあるけど この大地の矛盾を 天の星たちは 見つめ続けている -*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-* 使い捨ての時代 新しい物が造られて 要らない物が増えてゆく 新しい物のために 汚れてゆく大気と 切り倒される樹木たち そして大地は腹痛をこらえ 新しい物それは ほんとうに必要なのだろうか 溢れかえる廃棄物が 野原に山となる 宇宙空間では地球を使い捨てた後に住む 宇宙ステーションを試作している だけど誰も住むことなどできないよ このまんまでは いつものように喧嘩が始まれば 天井にも床にも穴が開くから そうして掃除機に吸われるように みんな宇宙空間に吐き出されてしまう 地球は辛抱強い とっても丈夫なようだけど どこまで我慢できるのだろう
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