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作品名:詩抄 III 作者:鳴瀬羽迦

第1回   惑星の夢/無我そして夢我
     
     
     
     惑星の夢
     
     
     
     
     手のひらに乗せた青い宝石に
     水の惑星の夢をいつか見たんだよ
     青い透きとおる光りに焦がれて
     ほんの短い時間と交換した
     
     
     いろいろなことが降り積もったね
     嗚呼 記憶を埋め尽くして
     もう 忘れてしまったのかな
     
     
     青色の空を見上げてみたくて
     空の色を映す滑らかな水に触れてみたくて
     風の心地よさを知りたくて
     きっと望んだのはそれだけだった
     
     
     いろいろなことが意識を濁す
     嗚呼 空には灰色が重ねられ
     もう 二度とみることないのかな
     
     
     化石になった想いを掘り起こしてみるよ
     意識の地中に眠るそれは
     手のひらに乗るくらいの小さな結晶になっていた
     
     
     もう一度 と祈りを込める
     今 強く握りしめる
     
     
     
     
     
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     無我そして夢我
     
     
     
     
     二つの小さな窓を閉じると

     私という宇宙との境は消えてゆく
     
     この宇宙はたったひとつ
     
     なのにどこから来たというのだろう
     
     なのにどこへ帰るというのだろう
     
     幾重にも幾筋にも煌めく粒銀河
     
     現れたり消えたり織り上げられて
     
     宇宙は魂に満ちている
     
     魂はときどき二つの小さな窓を開く
     
     そして私になってみる
     
     
     
     


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