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作品名:詩抄 II 作者:鳴瀬羽迦

第5回   万物流転/雨上がりの朝
     
     
     
     万物流転
     
     
     
     
     いつもと同じように目を覚ました
     いつもと同じように滑り出す一日
     いつもと同じように朝食の仕度をする

     
     代わり映えのしない朝食のメニュー
     だけど 今朝のお皿のレタスは
     昨日のお皿のレタスとは違う
     
     
     同じに見えても 明らかに違うもの
     だって昨日のレタスは もう食べてしまって
     新しい房から剥がした葉だから
     
     
     毎日は同じようなことの繰り返し
     だけど 全ては刻々と変化していて
     昨日と同じものなど全くない
     
     
     身体の芯からでさえ 細胞は零れ落ち
     毎日 同じようであっても 瞬間の全ては新鮮
     
     
     それらは目に見えるスピードではないこともあり
     人は 大きく変化して気づき
     奇跡だ なんて思うのかもしれない
     
     
     
     
     
     
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     雨上がりの朝
     
     
     
     
     飛べずにいた鳥たち 雨は止んだよ
     
     膨らませた羽毛 羽ばたかせて
     
     もうすぐ朝が来る まだ目覚めない街にも
     
     さえずりの輪唱 白んだ空に響いた
     
     今日が始まる 人々の中にも
     
     空を仰いで こうして時は送られてゆくんだね
     
     
     
     


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