和 きみの横に腰掛けて 小首をかしげ本に見入る きみの横顔をみつめている
そのひとときにすら ふと 涙が込み上げてくる そっと こらえて
伝わる存在の温もり 感じる生きている歓び 思う この輪の守手であろうと
私に出来るのはそれだけ 暮しという生活の場で きみに伝えられることは みんな伝えよう よい手本わるい手本になって
そうして ほんの少し未来に混ざる ここにある想い -*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-* 生い立ちの町 ちいさな頃に暮らした町を ふいに訪ねてみたんだ
思い出の詰まった マッチ箱みたいな団地
解体作業が行われ 姿を消してゆく途中だった 様変わりする町に涙がおちた 故郷のない町ネズミの 心の古里だった まだちいさな私が住んでいるような そんな思いがあったのだけど 夢中になって遊んだ 公園のブランコを漕ぐキィキィいう音も 探検ごっこの空き地の笑い声も みんな幻になって木霊するばかり 見上げた空だけ幼い日のままに映った 「大きくなったね」と 雲の口はにっこり微笑み 風の手で頭を撫でてくれた 「ありがとう」 私を育ててくれた生い立ちの町 最後の面影を胸にしまったよ
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