あたたかなるひととき なにか嬉しいことが起きるのを 知っているわけではないのだけど なんだかとっても楽しい気持ちが 心の奥から湧き上がってくるよ キッチンで料理するときはことさらに 食材たちがとても可愛らしく美しく見えてきて その生立ちを思ってありがとうなんて呟いたり その横では子どもがニンジンの気持ちなんて言って 野菜を刻むたびに「イタイ、イタイ!」と 声をあげて代弁したりしているのだけど それでもなんだろう とってもあったかい とっても柔らかな温もりがそこにある なにか嬉しいことが起こるのを 知っているわけではないのだけれど そうしてとっても楽しい気持ちが 心の奥から湧き上がってくるよ -*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-* 冬の朝に 朝が来ることを 疑うことなく 人は眠り もう少し 毛布に包まっていたいなんて 眠たい目をこすり 始まる一日 いつから こうだったかな? いつから 続いているのだろう 私という この感覚 永遠(とわ)にも感じる 振り返れば 思い出は瞬く間なのに とても長遠に感じる ゆっくりと回っているみたい 星の動きが 心時計の秒針になる 早送りな街時間を外れてみれば 木々の静かな呼吸音が 聞こえてくる やわらぐ樹皮のしたの 命の躍動を感じつつ
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