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作品名:月影想詩 作者:鳴瀬羽迦

最終回   月光/月の船
     
     
     
     月光
     
     
     
     
     踏みしめる地面の
     
     柔らかな感触
     
     擦り抜ける樹々のあいまに
     
     森の香り
     
     身体の芯まで
     
     染み込むように
     
     溶込んでゆく森の奥深く
     
     もう誰にもみつからないように
     
     やがて闇が
     
     ここにも降りてくる
     
     月明かり頼りに
     
     歩き続ける
     
     引き寄せられる
     
     あの場所に向かって
     
     もう誰にも行く手を遮られないように
     
     
     
     
     _______________________________
     
     
     
     月の船
     
     
     
     
     優しい風に 涙も拭われて
     
     そっと見上げた 夜空は
     
     とても澄んだ空気に 包まれていたよ
     
     ああ 街の中にも こんな時間があったんだね
     
     降るような 星の海に
     
     船のような月の形が 浮かんでいた
     
     白い息を 弾ませて
     
     坂道を 駆け上がってみる
     
     ああ 人は なんて小さいのだろう
     
     それでも想いは 大宇宙のように膨らんで
     
     あの船に乗れる いつの日かを夢見る
     
     絡み合う想いの糸を 解きほぐし
     
     滑り出そう 明日の空の波間へ
     
     
     
     
     ルビ/大宇宙=おおぞら
     


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