月光 踏みしめる地面の 柔らかな感触 擦り抜ける樹々のあいまに 森の香り 身体の芯まで 染み込むように 溶込んでゆく森の奥深く もう誰にもみつからないように やがて闇が ここにも降りてくる 月明かり頼りに 歩き続ける 引き寄せられる あの場所に向かって もう誰にも行く手を遮られないように _______________________________ 月の船 優しい風に 涙も拭われて そっと見上げた 夜空は とても澄んだ空気に 包まれていたよ ああ 街の中にも こんな時間があったんだね 降るような 星の海に 船のような月の形が 浮かんでいた 白い息を 弾ませて 坂道を 駆け上がってみる ああ 人は なんて小さいのだろう それでも想いは 大宇宙のように膨らんで あの船に乗れる いつの日かを夢見る 絡み合う想いの糸を 解きほぐし 滑り出そう 明日の空の波間へ ルビ/大宇宙=おおぞら
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