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作品名:
月影想詩
作者:
鳴瀬羽迦
第3回
深夜/寒波
深夜
夜の闇が世界を包む
冷気に白い吐息
細い月を想い浮かべ
深い祈りの囁き
天に鏤められた瞬く星は
叶わぬほどの
人々の願いの数のように
凍てついた光線を放つ
涙の流れ星ひとつ
誰かの願いを運んで行った
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寒波
時とともに
嘆く風
草原の片隅に
幼き影
みつめる眼
冬枯れの
樹々の梢は
轟々と唸りをあげ
迫りくる寒波
刺すような痛み
耳をかすむ
厳しき眼光
射られる月の眼差し
あおぐ天空
残す想いを断つ
歩を進める
休息の場はない
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