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作品名:月影想詩 作者:鳴瀬羽迦

第3回   深夜/寒波
     
     
     
     深夜
     
     
     
     
     夜の闇が世界を包む
     
     冷気に白い吐息
     
     細い月を想い浮かべ
     
     深い祈りの囁き
     
     天に鏤められた瞬く星は
     
     叶わぬほどの
     
     人々の願いの数のように
     
     凍てついた光線を放つ
     
     涙の流れ星ひとつ
     
     誰かの願いを運んで行った
     
     
     
     
     _______________________________

     
     
     寒波
     
     
     
     
     時とともに
     嘆く風
     
     草原の片隅に
     幼き影
     みつめる眼
     
     冬枯れの
     樹々の梢は
     轟々と唸りをあげ
     
     迫りくる寒波
     刺すような痛み
     耳をかすむ
     
     厳しき眼光
     射られる月の眼差し
     あおぐ天空
     
     残す想いを断つ
     歩を進める
     休息の場はない
     
     
     
     
     


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