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作品名:『ダンナさまは18歳。』 作者:英庵

第16回   卒業&巣立ち

3月6日、龍太郎の卒業式。

そして夜は、早智子、龍太郎、龍太郎のお母さん、美雪の4人で
ささやかなパーティーが開かれる。お正月以来だ。

午後5時を過ぎた頃に龍太郎が卒業証書を片手に帰って来た。

龍太郎「只今。」

お母さん「どこ、ほっつき歩いてたんだい。 早智子さんお待ちだよ。」

龍之介「ごめんね、さっちゃん。 今日で最後と思うといろいろ長くなって。
    それに友達から第2ボタンせがまれちゃって。」

早智子「龍ちゃん、結構モテルんだ‥。」

龍之介「遼にはね。」

美雪 「男かい!!」「いけない、関西っぽくなってきた。」

お母さん「バラエティーばかり見てるからよ‥。」

そんなこんなで楽しいパーティーが始まった。 「カンパーイ!」
龍之介の家族みんなにとって、
早智子を入れての食事は会話がはずみ心温まるひと時だった。

美雪「お兄ちゃん、いつ結婚するの?」
  いきなり美雪がど真ん中のストレートを投げてきた。

龍之介「‥‥‥。」

お母さん「今度くらいは男がしっかりリードしないと、早智子さんに逃げられるわよ。」

美雪「働く花屋さんも見つかったんだから。ここは勢いよ、お兄ちゃん!」

龍之介「さっちゃん、3月中に籍を入れたいんだけど。
    身内だけで簡単な式を挙げて。 披露宴は僕がお金を貯めてからになるけど‥。」

突然の申し出に早智子は驚いている。

美雪「お兄ちゃんはホントにムードないんだから。 私だったら式は教会がいいな。
   レンタルでいいから白いウェディングドレスに身を包んで‥。」
   美雪の空想が膨らんでいく。

あ母さん「籍はともかく、今から3月に教会の予約取れるのかい?」

龍之介「無理かな?」

あ母さん「当たり前よね、早智子さん。」

早智子「は、はい。 でも、龍ちゃん今日高校卒業したばかりだし‥。」
  早智子は龍之介がそこまで考えてくれていた事だけで嬉しかった。

早智子「式は6月でいいです。」

美雪「ジューン・ブライドか。素敵よね‥。」 美雪の妄想が‥。

あ母さん「龍之介、早智子さんと場所決めてしっかり予約しておきなさい。」

龍之介「はい。 で、入籍は3月でいいの?」

お母さん「私に聞かないで早智子さんに聞きなさい。」

龍之介「さっちゃん。入籍は3月でもいいかな。」

早智子「はっ、はい。」早智子は右頬にエクボをつくり少しかしこまって微笑んだ。

美雪「やっぱり大安がいいよね。」

お母さん「あんた意外と古風ね。」

美雪「だって、お母さん前いってたじゃない。 『お母さんたちは大安の日に入籍したのよ。
   だからお金がなくても幸せなのよ。』って。」

お母さん「‥‥‥。」

早智子「3月の大安の日に入籍お願いします。」

龍之介「良し、解った! 僕、カレンダーで良い日調べるから一緒に役所行こうね、さっちゃん。」

 明日からは早智子と龍之介の同居生活も始まる!

『ダンナさまは18歳。』そんな幸せ一杯で迎えた3月だった。


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