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作品名:恋する遺伝子 作者:月原 翔

最終回   あとがき(このお話を書いた目的について)
今回のお話、いかがでしたでしょうか。
「用語はよくわからなかったけど、なんだかんだで読んでて楽しかった」と思っていただければ幸いです。
「楽しかった」というのが、僕の狙いなんです。

今回の舞台は、遺伝子とかの研究をしている大学院という、非常にマニアックな設定です。
というのも、僕が数年前までこういう世界にいたからです。
せっかくなので僕の知識を活かせるようなお話を作りたいな、と思ったのが1つです。

もう1つ、こちらのほうがより強い動機なのですが、理系なおバカなお話を作りたかったのです。
だって遺伝子とかウイルスが出てくるお話って、だいたいマッドなサイエンティストが出てきたり、バイオハザードやら生物テロやらが起きたりと、とにかく暗くて深刻なものばかりなんですよ。
「パラサイト・イヴ」だったり「らせん」だったり、「20世紀少年」もそうか。
コメディーで成功してるのと言えば「もやしもん」くらいかもしれません。

ところが実際に僕が経験した研究室というのはごく普通の人たちの集まりであって、
げんなりする実験の繰り返しであったり、出ないデータとの戦いであったり、
たまには息抜きにバーベキューやったりソフトボール大会やったり。
まぁ細かいところはどうでもいいとして、そんな程度の世界、というわけですよ。

つまりですね、こういった研究者たちの世界をもっと身近に感じてもらいたい、と思って今回のお話を書きました。
そうなるとテーマは恋愛か? じゃあ遺伝子で恋愛の相手が決まっちゃうとしたら? それに振り回されるコメディーか?
そのような感じで書いてみました。
ちょっとコメディーとは言い切れないのかもしれませんが……

ちなみにCUPID遺伝子はもちろん僕の創作です。
「そんな都合のいい名前なんてないよな」と思われるかもしれませんが、
実は遺伝子の名前は発見した人が論文に掲載するときに、好き勝手に決めていいというルールがあります。
世の中には、ゲームのキャラクターからいただいた「ソニックヘッジホッグ」という名前の遺伝子や、
アニメのキャラクターからいただいた、内蔵逆位のハエの変異体で「サウザー」なんていたり。
なのでCUPIDという名前の遺伝子も、もしかしたらこの先発表されるかもしれませんよ。


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