ここからは原生代に起きたことを調べてみます。
海中の鉄イオンが縞状鉄鉱層に変化している間、シアノバクテリアの 光合成により放出された酸素は大気の中にも広がっていきました。
酸素が増加するまでの地球の大気の状態は現在よりも高温高圧でした。
それは二酸化炭素やメタン菌が放出するメタンが持つ温室効果による ものです。
では仮に、二酸化炭素やメタンがなかったとしたら地球はどのように なっていたでしょうか。
単純に太陽と地球の距離だけを考えた場合、地球の平均気温はマイナ ス20度になるといわれています。
平均気温がマイナス20度の環境とは氷に覆われた世界です。
本当にそんなことが地球に起こったならば、人類を始めとする多くの 生物は滅亡してしまうでしょう。
しかし、そのような恐ろしいことは過去に何度か現実に起こったよう です。
全球凍結がそれです。 では、全球凍結は何時頃起きて、何時頃終わり、その状況はどのよう なものだったのでしょうか。
これまで原生代では ヒューロニアン氷河期(24億年前から22億年前)、 スターチアン氷河期(7億六千万年前から七億年前)、 マリアノン氷河期、別名称、ヴァランガー氷河期 (6億2千万年前から5億5千万年前) と呼ばれる氷河期があったとされています。
ここでは最初に起こったと考えられているヒューロニアン氷河期につ いて調べてみましょう。 では、ここで例によって新幹線路線で24億年前と22億年前に相当 する地点を特定してみましょう。
まず24億年前に相当する地点ですが、そこは東京駅からだと 613q、博多駅からだと561.9qの西明石駅から約1q博多寄 りの所です。
次は22億年前に相当する地点ですが、そこは東京駅から 561.9q、博多駅からだと613qの新大阪駅から9.3q博多 寄りの所です。
簡単に言うならば西明石駅と新大阪駅の間が24億年前から22億年 前に相当する区間ということになります。
そして全球凍結の状況はどのようなものだったのでしょうか。 全球凍結が最も進行したとき、地球は全体が厚さ3000mの氷に覆われ 海中は1000mの深さまで凍っていたのではないかと考えられています。
凍結は更なる凍結を呼び起こします。 その結果、極地付近の気温はマイナス90度にもなり、赤道付近でさえ マイナス50度しかなかったと考えられています。
では何故、全球凍結というような事態が起ったのでしょうか。
その原因と考えられているものにはいくつかあります。 全球凍結が起きた一つ目の原因として考えられていることは、大気中 に増加した酸素とメタンが反応した結果、メタンの温室効果が消滅し てしまったことです。
二酸化炭素の20倍もの温室効果があるメタンがその温室効果を失って しまえば地球の気温は急速に下がってしまうことでしょう。
全球凍結が起きた二つ目の原因として考えられていることは二酸化炭 素の減少です。
二酸化炭素が減少した原因は火山活動の衰退です。 火山活動が沈静化すれば二酸化炭素の量は減ってきます。 火山活動の衰退による二酸化炭素の減少と、前出の如きメタンによる 温室効果の消滅が合わされば全球凍結という事態が起こっても不思議 はないのかもしれません。
しかし、実際に火山活動が衰退したかどうかは今のところ、はっきり 分かっていません。
ところで地球全体が氷に覆われている間、生物はどのようにして生き 延びてきたのでしょうか。
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