さて、先ほどオーストラリア西部のジャック・ヒルで44億年前の物と推定されるジル コンが発見されたと申しましたが、このジルコンを詳細に調べた結果、大変に興味深 いことが判明しました。
調べた対象はこのジルコンを構成する酸素原子なのですが、分析の結果は驚くべきも のでありました。
なんと、その酸素原子は水と反応した結果、生成された可能性があるというのです。
44億年前に地球上に水があったとはどういうことでしょうか。
既に44億年前には海が出来ていたということなのでしょうか。
仮にそうならば地球史は大きく書き換えられることになるでしょう。
これについては興味が尽きません。
さて、原始の海が出来たことで大気中には雲が発生するようになり、その雲は時には 雷を発生させました。
雷による放電現象や太陽光線によって大気中の窒素や二酸化炭素はアミノ酸などの有 機物に変化しました。
更に、それらの有機物はやがて原始の海の中に溶け込んでいきました。
また、時折飛来する隕石も生命の誕生に必要な様々な分子を地球にもたらし、それら の分子も原始の海に蓄えられていきました。
そして、そのような原始の海の中に地球上で最初の生命が誕生しました。
地球上に生命が現れた時期や場所についてはいろいろな学説がありますが、大体40億 年前頃に海底の熱水噴出孔の周囲で誕生したのではないかと考えられています。
40億年前に相当する地点は先ほども出て来ましたが新山口駅から東京駅寄りに5.4k mの 所です。
では,この地球上で一番初めに現れた生命とは一体どのようなものだったのでしょうか。
これについては原始の生命という大きな括りの言葉で表されることが多いのですが、 その実体はウィルスのようなものであったろうと考えられています。
その後,38億年前から36億年前にかけて原核生物が現れました。
原核生物とは細胞の中に核を持たない生物のことです。
原核生物などというと何だか難しく感じますが、一頃は単にバクテリアといわれていま した。
しかし最近では真正細菌(バクテリア)と古細菌(アーキア)の二つに分類されていま す。
真正細菌とはこの後に登場してくる藍藻や大腸菌のことで、古細菌とはメタン菌や超好 熱菌のことです。
では、36億年前に相当する地点は新幹線路線のどのへんになるでしょうか。
そこは東京駅からだと919.4km、博多駅からだと255.5kmの所で、そこは新岩国駅か ら新幹線列車が約4分走った16km東京寄りの所です。
原核生物が登場した後の32億年前にはシアノバクテリアと呼ばれる藍藻が現れます。
今、32億年前と申しましたが遅くとも32億年前までに現れた、としたほうがよいのかも しれません。
では、32億年前に相当する地点は新幹線路線で表すとどこになるでしょうか。
32億年前に相当する地点は東京駅から817.3km、博多駅からだと357.6kmの所になり ます。
そこは上り新幹線列車が三原駅を通過して一分少々走った5.3kmの所となります。
実際の新幹線の場合、博多発着で三原駅に停車する列車は「こだま」だけです。
「こだま」は博多駅から三原駅まで約2時間40分で走ります。
東京駅からの場合は「のぞみ」と「こだま」を乗り継いで4時間5分前後かかります。
このシアノバクテリアは光合成により酸素を作り出します。
シアノバクテリアが登場するまでの地球の大気の成分は二酸化炭素と窒素がその大 部分を占め、酸素はほとんどありませんでした。
そして27億年前にはシアノバクテリアが大量に発生しました。
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